ETソウル(97)
2010年 11月 07日
そして検査結果はUFO目撃者には何の異常もないどころか、こうした経験のない人々よりも『知能的にやや優れている』ことさえ証明されたのだ。
しかし彼らは心理分析のプロなので、更に調べずにはいられない。そこで考えた末に、研究者たちはUFO目撃者たちが、睡眠麻痺に陥っていた可能性を指摘しだした。
これが心理学的見解の定番となる理論的・学問的な精神科学分野のプロたちの出した結論だった。睡眠麻痺とはその時にウトウトしているか、はっきりと目覚めていても身体が金縛りになって動けない状態を指す。それは幻覚を伴い、息もできない感じだが、起きた出来事はよく覚えている。
私も子供の頃に何度か、このような状態に陥った経験がある。しかし私にとっては、この時の体験は、リアルな現実であった。その体験とは自分の部屋で幽霊を目撃したことである。夜中に突然に目覚め、階段を登る足音を聞き、ラジオの深夜放送の電波が斜断されてノイズだけになった。時間は深夜の2時ちょうど、煙が襖の隙間から部屋に侵入し始め、それが人型に成った。
「幽霊だ」私はそこで恐怖に駆られ、布団に潜る。それが近づいて来る気配がする、そして遂に、それが私の上に・・・・。途端に身体が痺れ、金縛りになった。
それが最初の体験だが、それから数日後にも二日続けて金縛りに遭った。それは睡眠麻痺と言えるのかどうか、疑わしいが恐らくは診察を受ければそう診断されたことだろう。
心理学者たちは、最初に何かが異常であるという前提を立ててしまった。そして、この異常体験に対する説明を余技なくされたのである。これが全てを科学的に客観的に説明づけようとする、現在の文明の限界なのかも知れない。