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by levin-ae-111
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十六菊花紋の秘密 41

「一個人が宇宙のリズムに乗ることは、貴方が考える以上に人類史に直結するのだ。あなたの中心点は人類の中心点でもあるからだ。
あなた方日本人の年末の大掃除の習慣は、我々シュメールの習慣に近いものがある。これを10日早く行えば、自然のリズムに重ねることができる。この期間に不要な物を捨てると同時に、心の過去も捨て澄み切った魂とする事は、自然のリズムにかなっている。これを、もっと大きなリズムで行うべき時にあなた方は今いるのだ。
 人間の努力には、本筋から外れた努力というものがある。現代のあなた方の中にはそうした努力によって、自身を見失っている人が大勢いる。現代の文明にしがみついている人々もそうだ。
一度頂点に達した文明が死期へと至る時、尚もそれにしがみつこうとする人人は過去の文明でも大勢いたのだ。一度にぎった権力に味をしめ、何とか維持しようとする人々、死期にあることに気づかず今からそれを追いかけようとする人々、そうした生き方をした人々は過去においても自らを失う結果へと至った。その努力自体が宇宙のリズムから彼らを引き剥がすのだ。
 宇宙のリズムに合致した努力は、必ず溢れだすような使命感や躍動感、爽快感を伴うものだ。それらが感じられない努力は、いかなる努力であろうとも宇宙のリズムから外れている」
千賀は今までの人生を振り返って、確かにその通りだと思わずにはいられなかった。

 確かにこのシュメールの老人が千賀氏に話して聞かせたことは、真理のように感じられる。事は何も人類史の全体に限定する必要もないと思われる。例えば先の大戦で、あっさりと負けを認めて早々に日本が降伏していたとしたら、人類史上初の原子爆弾が広島と長崎の市民を未曾有の悲劇に陥れることも無かったかも知れない。沖縄へ連合国が海を埋め尽くすほどの大軍をもって押し寄せた時、降伏していれば多くの命が、沖縄の自然が失われることも無かったのだ。
これもまた、日本帝国の中枢にいた人々が、最後まで抵抗を続けて国体を守ることに固執した結果であったろう。その事はまさしく、老人の語るようにより大きな被害を招いただけであった。
この様な大きな出来事に限らず、私たち個人にも有り勝ちなことではないのか。体調不良を放って生活を続け、遂には長期入院などという事態を招く場合も多いに違いない。
そして昨今の政治情勢に目を転じた時、彼らは本当に自らの使命を何と考えているのかと疑いたくなる事態がある。政治の本筋から外れ、自らの権力維持やその奪還に血道を上げるばかりで、大災害に苦しむ国民の事など眼中に無いように見える。
これらは正に老人が語る、自身を見失った姿に他ならないのではないだろうか。そして、結果は何れの場合も、より大きな被害を蒙るかたちに成るのである。

「シュメールでは人間の思念は神から与えられたものと考えられていた。与えられた思念である以上、それは必ず宇宙のリズムに合致するのだ。それを受け取るためには、受け取るための魂の空間を用意しなければならないというのが、我々神官の思考への認識であった。
そうして用意された空間に節目のときには必要な思念が舞い降りるのだ。そして、その思念は次のサイクルに向けて強い創造の力を発揮するのである。自ら創り上げた思念によっても、物事は成就できる。しかし、それらは長期的には宇宙のリズムを壊すのだ。
 思念というものは心が空白でありさえすれば、必ず各人に最も必要なものが与えられるように出来ている。自ら創り上げるものではない事を、あなた方は知らねばならない。それを受け取るべき時の中心点が、節目の時なのだ。
宇宙の星々は自らの主張ためにスピンするのではない。星々は中心の力に促され、その力に自らを委ねることによって為されるスピンという自己完成の悦びに打ち震える。宇宙の存在は波に自らを委ねるサーファーのようなものだ。いかに委ねられるかで、全てが決まる。
 宇宙は必要なところに、必要なだけの、必用な配置を与える。その計算に狂いはない。
しかしながら個人の意思で何かを目指し、個人的思念の力でそれを実現しようとする者で溢れる時、それはすでに四年次元に摩擦と闘争を産み出すのだ」

 与えられた思念などという考えは、千賀におおきなインパクトを与えた。
これが本当だとすれば、昨今私たちが行っている、在意識による願望達成法などは思念の次元に大いなる災いをもたらしていることになる。
「現代のあなた方の社会はさまざまな世界的問題を抱えて、あなた方はそれを解決するのは至難の技だと思っている。かしそれは、過去を捨てようとせず、過去にしがみつこうとしているから至難に見えるだけだ」
千賀は自分自身の人生を振り返りながら、彼の人生が人類の人類としての行為に繫がっていることを自覚し始めた。

by levin-ae-111 | 2011-06-28 05:17 | Comments(0)