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by levin-ae-111
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戦場の医師「医僧」

 少し前にNHKで「タイムスクープハンター」という番組を観た。
要潤さんがタイムスリップしてその時代をリポートするのだが、映像が妙にリアルで歴史好きとしては創られた時代劇とは比較にならない面白さを感じた。
視聴率が良くなかったのか5、6話で打ち切られてしまったのが残念だが、その中でも取り分け印象に残るのは初回の「医僧」の密着リポートだ。
 戦国時代の戦には「医僧」と呼ばれる僧侶が戦場に同行し、傷ついた武士たちの治療に当たっていた。現代で言えば衛生兵だが、武器は持たず薬や治療道具、酒、水などを入れた郡を背負い戦場を駆けまわっていた。酒や水が不足した場合は、戦士した死体の水筒から調達するなど、臨機応変な対応が求められた。

しかし負傷しても彼らの治療を受けられるのは侍大将(全体の指揮官ではなく、一部隊の指揮官)か、それ以上の地位の者に限られていたようだ。一般の兵卒は手当てを受けられず、自分たちで我流の治療をしていたらしい。
医僧の使用する薬品はとても高価で、兵卒にまで使用することは禁じられていたのだ。
この番組では負傷した侍大将を治療中に、領主からの撤退命令が出た。そこへ家老が負傷して転がり込んでくる。付き人の侍は家老の治療を優先するように医僧たちに迫るが、それをなだめながら治療を進め、撤退していく。

彼らは領主に雇われているため、主命は他の武士同様に絶対のものだった。物語の医僧たちは治療を優先させ、すぐにはその場を動かなかった。それから撤退するのだが、道の途中で負傷者を見つけると身分に無関係に治療を施していく。家老に付き従っていた武士も途中で負傷、彼は治療を受けられる身分ではないが医僧たちは治療を行った。
台詞こそ現代語だったが、撤退途中に転がる薄汚れた死体や武士たちの汚れた顔や手足、尻などが非常に生々しくリアリティに拘った創り手の意識が現れていた。

それはともかく、荒々しく凶暴な武士たちが殺しあう戦国時代の戦場で仕事をするのはどんな気分だろうか。物語では師匠格の一人が歴戦の元武士で、殺し合いに疲れ自分の人生を振り返った時に虚しさを感じ、殺人とは反対の医僧の道を選んだとい言った。
また若い弟子は大変な商売と思ったが、稼ぎが良いので医僧なったと話していた。
 これは「医僧」についての史実を基にしたフィクションだが、このような人々の存在は戦国ファンにも余り知られていないのではないだろうか。
歴史に登場する武将は華やかで壮絶な生涯を後世に知られているが、無名の人々の存在にスポットを当てるのも面白い。
 
現代社会もビジネスという合戦に明け暮れる戦国時代だ。人生を賭けてお金儲けに奔走し、敗れれば従業員ともども路頭に迷う。そんな社会で生き残り、勝ち抜くのは大変だ。
幾多の人々が脱落し苦悩の中で呻いている。誰もが我田引水で、他人の事など気にもしない。こんな現代にあっても、この医僧たちのように他者のために頑張っている人々にエールを送りたいと思う。
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by levin-ae-111 | 2011-10-06 05:25 | Comments(0)