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身の回りの出来事から、精神世界まで、何でもありのブログです。


by levin-ae-111
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入り鉄砲に出女

 またまた大好きな番組『タイムスクープハンター』よりの話題だ。
江戸時代、幕府は交通の要所に関所を設けて通行人の監視を行っていた。タイトルの「入り鉄砲に出女」は特に幕府がその動向に注意をしていたものだ。
入り鉄砲は武器の江戸への持ち込みを警戒、出女は大名家の人質である奥方や姫様が逃げ出すことへの警戒だった。そんな事情もあり、人々の行き来、特に女性の移動に関しては厳しい詮議が付き物であったらしい。

物語の主人公は二人の町女。幼馴染の二人は日ごろの鬱憤晴らしにお伊勢参りを企てる。
伊勢参りは江戸時代の人々にとって、一生に一度は行きたい一大イベントであった。
庶民はお金を積み立て、伊勢講という講を組んで長屋ごと町内ごとに出掛けたのである。
さて今回のリポートは、一人は独身で一人は人妻という女性二人組に、リポーターの要潤さんが密着。
この二人が差し掛かった関所では、通行手形のチェック、身体検査と厳しい詮議を受ける。二人の旅は人妻の女の手形が偽造と判明したり、身体検査をする婆さんに賄賂を渡すことを拒んで裸にされたりと困難な出来事が続出する。
検査では結った髪までもバラされる。それでも黒子の位置が違うとか何とか因縁を付ける婆に、見かねた一人が賄賂を渡して一件落着するなど、本当に江戸時代の旅の困難さが伝わってくる。特に女性だけの旅は余計に危険で困難なものだった。

手形を取得するには世帯主の承諾が必要で、人妻の方は夫から逃げ出したくて手形を偽造していた。そうするうちに、足止めを食った旅籠へ亭主が追いかけて来る。
ひと悶着の末に亭主を旅籠から追い出し、人妻はお歯黒を落とし独身に戻る。その時に使う歯ブラシも当時と同じものと、相変らず設定が細かくて嬉しい。
それから二人は旅籠の主人の導きで関所破りを敢行する。当時はお金さえ出せば抜け道を教える案内人も存在していた。
揉め事や喧嘩など人間模様も交えながらの展開は、やはりとてもリアル。途中で喧嘩した二人が別行動を取るなどと面白い。
リポートは無事に抜け道を使い関所をクリアし、二人揃って伊勢へと向かい歩き始めた場面で終わった。

ほんの140年前にはこんな状況があり、人々の自由な行き来が制限されていた。
それは人の往来を制限するだけでなく、物流や情報の制限でもあった。
現代でも自由といいつつ情報には様々な制限が課せられている。殊に国家やそれを牛耳る人々にとって不利な情報は、一般国民の不利益になろうとも伏せられている。
天下りと渡りの問題、原子力発電の真実など数え挙げたら尽きない程の情報が隠蔽されている。また公表されても改ざんされていたりして、ある種の意図的なベクトルがかけられている。必ずしもそれが悪いという訳でもないが、ある方向への誘導という意図が存在するは確かである。一般人がそれを見抜くのは至難の技だが、出来ることは与えられた情報をよく吟味することしかない。政治的な課題は今も昔も大衆を如何に上手にコントロールするかという事に尽きる。それが必ずしも大衆の不利益につながるとは言い切れないが、鵜呑みにするには危険な要素が多いように感じる。
全てに対して批判せよと言っているのではないが、ただ自らの考えを持つという事が大切であると言いたいだけである。

 私には些細な事柄だが他の人の意見に流されて、痛い目に遭った経験がある。その時の後悔といったら、自分自身に腹が立って仕方がなかった。人の意見に素直に耳を傾けることも大切だが、それを鵜呑みにしたのでは後悔も大きなものになってしまう。
人の意見に耳を傾け、そのうえで自ら考え納得して行動するのが良いであろう。
最近の私が自分に言い聞かせていることは、『よく観察しよう』ということ。そそっかしく失敗の多い私は、物事を始める前によく情況を観察してから始めるように心掛けている。
by levin-ae-111 | 2011-11-04 05:12 | Comments(0)