長い題名の本55
2012年 03月 04日
バイブレーションが異なり、それ故にお互いが干渉するはずの無い霊界で、戦争が起こることなど在り得るのかという疑問が浮かぶが、ようやくこの章の表題である「霊界での戦争」ということについての記述である。
霊媒師A・ファーニスは、地上で戦争が起こる理由を次のように述べている。
時々、私は黒い霊の群れが、岸を洗う怒涛のように地上のあちこちにあふれるのを見ました。すると光の霊人の軍隊が、これらの悪霊たちを追い返すのでした。
両者の間には常に戦いがありますが、その報償は人間の魂なのです。
この戦いの武器は彼らの意志、そのものです。それ以外の武器で戦うことはありません。
その力は余りに強大なので、どちらも余り長いこと相手と渡り合うことが出来ないほどです。死を越えているはずの霊界で戦争があるというのは、何とも不思議な話しですが、善と悪の両者が存在する限り、特に悪い方の勢力が勝っているような状況では、その覇権を求めて争いを仕掛けるのは当然の成り行きなのかも知れません。
そして、それに対抗すべく善の軍勢が出て来る、という状況のようです。
悪霊の群れは明るい霊人の善の軍勢を押し返しながら他を席捲するので、地の表から真理の光を覆い隠し、また光の扉を一つ一つ襲って圧倒しようとしました。
すると不思議なことにこの霊界での戦いが、この世の戦いとなり、覇権を求めて国と国が争うようになりました。この戦争は世界的なもので、あらゆる国とあらゆる国民が、冨の世界支配に対する欲望に呑み込まれてしまったかのようでした。
これを見ると驚くべきことに、霊界の戦争がこの世の戦争へと波及していっています。この戦いの結果は、どうなるのでしょうか。
物質的生命が存在するのは地球と他の惑星だけで、善と悪は殆ど拮抗しあっています。
現世の人間が霊界からの精神的援助に耳を貸さなくならない限り、善の方が悪よりも強い力を持っている。
ということで、幸いなことに最終的には善の軍勢が勝つと信じて良さそうです。
余談だが私(ブログ筆者)も一度だけ、煤煙のような黒い霧状のものが建物の屋根を覆っているのを目撃した経験がある。それは風に影響される様子もなく、近くの工場の巨大な屋根の上空にたゆたっていた。何となく嫌な感じのするものだったが、仕事中だったこともあり、私は長くそれを見ていられなかった。
後日のニュースで、その日の夜中に一人で夜勤をしていた若者が、仕事中の事故で亡くなったことを知った。今、この本を読んで、もしかしたら!と思う。
スウェデンボルグは「天国と地獄は力の均衡によって保たれている」と教え、以下のように解説している。
ここにAとBのふたつの力があり、その大きさは同じで、方向は反対とする。ふたつの力を中央でひとつに結びつければ、結果はゼロになり何の力も働いていないことになる。
この時、中間にCという力が入るとする。するとCの力がいかに小さくても、そのCの力の方向と大きさがA、B全体の力の大きさと方向を決めることになる。
つまりA、BがいくらCに比べて力が大きくても、決定権を持つのはCであり、ここにCの意識が全霊界の自由に動かせるパワーを持つことになる。
人間の意識がこの力学でいう小さな力Cにあたり、このような均衡の中に天国界と地獄界が共存している。この力のバランスが崩れて、天国界が無くなったとすれば地獄界も存在しなくなり、逆に地獄界が無ければ天国界も存在できない。
このようにふたつの力の均衡が保たれているので、人間が死後に入る霊たちの自由が保障されているといってよい。
そのバランスについて、王任三朗は解り易く述べている。
天国を動かす力は地獄であり、光明を動かす力は暗黒である。地獄は天国があるが故であり、闇は光がある故である。
故に地獄的なものも天国的なものも同様に、神の呼吸に属し、神の脈打つ一面の現われであることを知るべきである。
天国に限りなき段階と無数の集団があると同様に、地獄にも無数の段階と無数の集団がある。何故ならば天国のいかなる状態にも対し得る同様なものが自らにして生み出されねばならぬからであって、それにより大いなる均衡が保たれ、呼吸の成長が行われるからである。地獄なき処に天国はない、天国を想念する処に地獄を生ずるのである。
このように王任三朗もスウェデンボルグも、同様のことを述べている。私たちの世界でも、米ソの力の均衡の上に成り立っている「平和」の時代が存在した。今日では冷戦の時代と呼ばれるその時代は、ソ連邦の崩壊によりアメリカの一国主義的な国連無視の姿勢を鮮明にさせた。今日ではアジアの大国となった中国や、立ち直った新生ロシアなどの台頭に加え、アメリカ自身の経済的な行き詰まりにより、再び国際間のパワーバランスが回復しているかに見える。
天国と地獄の戦い・・・・という部分に 疑問を感じます。
戦う人々は どのような 理由であれ 善悪はなく同じレベルの状態であるからで 霊界においても レベルが近い(多少の上下はあると思いますが) もの同士が争っているとおもいますが いかがでしょうか?
しかし どのような戦争も あらゆる世界に影響をあたえますので 王任三郎さんの 天国が地獄に影響される・・・というのは納得しました。
神がリセットするときは 多分 神界もいっしょに リセットするつもりなのでは・・・と感じました。
仏説によると、この宇宙には善なる意識と悪なる意識、つまり陽と陰の
意識が存在していたといいます。そして、悪の意識が善の意識の領域
を侵食し始めた。善の意識は強い想念力を持った「梵天」を生み出し、
その活躍で善の意識は領域を取り戻しましたが、悪の意識マーラは、
地球という美しい場所を造り、その美しさ、香りの良さに惹かれて、一体
の梵天が地上に降りたのだそうです。
しかし、これはマーラの罠で、梵天は想念力を奪われ、地球に閉じ込め
られた。それが人間の始まりだと説いています。
それ以前はブッダにも判らないそうですが・・・・
これは宇宙のバランスを比喩的に述べたものかも知れませんが、
どうやら陽(プラス)や善だけでは、この宇宙は成り立たないようです。
だとすれば、あらゆる領域で、このバランスの均衡を保つ必要があり
一方が(悪が)善の領域を狙うかぎり、戦いは発生するのだと思います。
そうですね、リセットは神界をも対象になっていると、私も思います。