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by levin-ae-111
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みをつくし料理帳

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 昨年ドラマ化され放映された物語を観てから、心に残っていた作品が高田郁さんの小説『みをつくし料理帳』である。是非とも原作を読みたいと思いながら、今年の春まで手着かずであった。
それが病気になる少し前に本屋で見つけ、1巻と2巻を買った。とそれから病みつきになった。ネット上で読書好きの人の記事も私の好奇心を刺激していたが、本当に面白い。

時代小説ということもあり、読み慣れない漢字も多いが、それも勉強になる。私は鬱で休暇を取っている間に、本屋にあったこのシリーズを買い漁った。
現在は8巻まで入手したが、6巻だけがいつもの本屋に無くまだ読んでいない。
災害で両親を失った二人の少女、澪と野江は各々の運命に翻弄されながらも力強く生き抜く物語である。二人を見守る周囲の人々の暖かさは、心に染み入る。

 しかしどういう人生経験を積めば、こういう物語を捻り出せるのであろうか。物語の中で展開される人の心の奥を描く、その洞察力と表現力は本当に魅力的だ。
という訳で、私は小説の世界の人々に魅了され、止まらなくなったのである。こういう事は別に今に始まったのではない。
小学生の頃にはE.EスミスのFS小説『レンズマンシリーズ』や江戸川乱歩の『少年探偵団シリーズ』に熱中した。ジュラシックパークの原作、『失われた世界』なども私を夢中にさせた一冊であった。私は元来の凝り性なのかも知れない。

 読書は自分の世界を広げてくれる。自分で文章を書く場合の表現を多彩にしてくれるし、思考の及ぶ範囲をも広げてくれる。
それは想像という名の心の翼を強く、逞しく、大きくしてくれる。それに何より物語の世界に入り込み、それに没入するのが何とも楽しい。
高田郁氏が描いてみせる女料理人『澪』と周囲の人々の心温まる物語も、そうした珠玉の作品のひとつである。
by levin-ae-111 | 2013-03-31 08:57 | Comments(0)