時知らず
2014年 11月 30日
公園は無人かと思いきや、奥のコートでテニスを楽しむ人々がいた。私はその手前の東屋の方へ歩いて行った。
自販機で買った缶コーヒーとカメラを持って、公園の大きな石の上に腰を下ろした。先日まで赤や黄色に紅葉していた木々の多くは裸になってしまっている。
飛行機の爆音を聞いて空を見上げた時、何か小さな黒い影がスーッと視界を過った。
「赤トンボ‼」この時期に、少し驚いた。一匹の赤トンボが元気よく飛び回っている。そのトンボはとても素早く、生きている事を楽しむ様に私の上を行ったり来たりしていた。
「お前は、孤独だなぁ」と、哀れに思う一方で「勝虫の中の勝虫だな、トンボの王者か」とも思う。
だがよく見ると、もう一匹別の赤トンボが、これまた元気一杯に風を捕えて飛んでいる。
「良かった・・・、あいつは孤独ではなかった」安堵の気持ちで、その場を離れた。
そう思いつつ帰り道で、これまた意外な物が目に入った。枯れた草の間に我が目を疑いたくなる様な、白い清楚な一輪の花が咲いている。
何と白百合だった。
平素ならば「気候変動が、地球が変だ・・・」などと考えるのだが、トンボといい百合といい感動を禁じ得なかった。
「時知らず」遅れて来たトンボと白百合は、珍しく真面目に日々の瞑想をし、人の健康と幸福を祈る私への神様からのご褒美なのか。
否、それは無いだろうが、そう思うことにした(^^)