イグノーベル賞
2017年 11月 05日
イグノーベル賞(イグノーベルしょう、英: Ig Nobel Prize)は、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞のパロディーである(ウイキペディアより)。
しかしこの賞、決して馬鹿にはできません。楽しく笑わせながらもその結論に至るまでの過程にはちゃんとした科学的な積み重ねが基礎となっている、そんな陽の目を見ない研究に光を当てる賞なのです。
受賞の常連は日本とイギリスで、今年も日本の研究者が受賞しました(11年連続)。受賞者は北海道大学で准教授を務める吉澤和徳さん。
この方幼少から昆虫に興味があり、昆虫研究一筋で25年という人。研究の中心は『チャタテムシ』と呼ばれる5000種も発見されている身近な昆虫です。共同研究者と共に世界中を飛び回り、遂にブラジルの洞窟で大発見をしたのです。
その発見とは交尾の形態が雌雄逆という前代未聞の発見でした。つまり雄の生殖器に雌の生殖器が挿入されるという、全く逆の交尾を行う昆虫の発見でした。
また雄からは精子と共に栄養分も供給されるので、雌は雄を70時間も拘束する場合もある。
この3ミリ程度の小さな昆虫に吉澤さんは『トリカエチャタテ』という名を付けた。
授賞式の当日も吉沢さんは仲間と共に洞窟に居て、ビデオメッセージで授賞式に参加していました。吉沢さんと仲間が話す度に、会場は笑いの渦に包まれました。
一見して馬鹿馬鹿しい研究も、それを行っている人は真剣ですから、そこがまた微笑ましいのです。
他に受賞した研究は
物理学賞 猫は液体か?
平和賞 ディジュリドゥでいびき改善
経済学賞 ワニを見るとギャンブルで浪費する
解剖学賞 年を取ると耳がでかくなる!?
生物学賞 男女の常識を覆す虫(吉澤さんの研究)
流体力学賞 コーヒーがこぼれない持ち方がある
栄養学賞 吸血鬼はいるのか?
医学賞 チーズ嫌いは脳波でわかる
知覚賞 双子は自分の写真を見分けられるか
産科学賞 胎児専用の携帯音楽プレイヤー
どの研究もテーマを見ただけで「えっ、こんな事を研究してるの!!」と思ってしまいます。でも研究者は大真面目で、皆さんちゃんとした科学者ばかりです。
授賞式では研究者の説明が持ち時間をオーバーすると、8歳の少女が出て来て「もう飽きたわ、だから止めて」などとクレームを付ける。何故8歳の少女なのか?これもイグノーベル賞で発表された研究結果なのだとか。
どんな奇想天外な研究が成されているのか、来年も注目したいですね。