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身の回りの出来事から、精神世界まで、何でもありのブログです。


by levin-ae-111
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ETソウル(128)

イニドは何とはなしにカリフォルニアへ引越し、美しい海辺の町に住んだ。そして浜辺を散歩したりして時間を掛けてゆっくりと、意識が変わってゆくのを感じた。
そして、途切れ途切れでバラバラだったが、アトランティスについての記憶が蘇って来たのだという。そして無意識のうちに、砂の上にアトランティスの旗を描いていたという。
それは、以前によく見ていたような気がしたからだと言った。
海岸で不思議な散歩をした晩、彼女はいつもの通り、一週間に一度の買い物に雑貨店へと車を走らせていた。だが、その日は自分が何時もと違う世界に居るような気がした。
何かがおころうとしていた。彼女は両側に木立が並ぶ夜の道を、ドライブしていた。
晴れ渡った夜空を見上げると、そこに地球外生物の宇宙船がいたのだ。それは真っ直ぐに、或いはジグザグに上下に移動しながら飛んでいた。
特に派手でもないその小さな円盤型の船の端には、幾つかの照明が点いていた。イニドの心は、はそれを見て歓びに溢れた。
彼女はそれを見てとても興奮したと言い、更には急にとても幸せになったとも告げた。

イニドはその宇宙船の素早い動きを見ている内に、自分が別の次元へと移動しているのを感じた。そして、その宇宙船に乗っているのが誰であれ、彼らと何とか接触できる様な感じがして、実際にETたちと交信できたと思った。
しかし、直後にETたちが伝えてきたメッセージを彼女は記憶していなかった。それでも、それはほんの手始めであり、次の朝には幻影が現れた。
翌日、彼女は町の目抜き通りにある治療院へ、指圧を受ける為に出掛けていた。彼女はマッサージ台にリラックスして横になり、マッサージを受けていた。
その時、突然に何もない空間が目前に開いたのを感じた。そこには長身で筋骨隆々の一人の男が立っていた。
その男はローマ時代の百人隊長のようなヘルメットを被り、なめし皮の防護服を身に付けていた。
「俺がお前の面倒をみる」その男は、そう言い放ち「お前は俺の指揮下に入るのだ」と命令した。

イニドは驚き、恐怖を感じたが、即座に拒否し、内心の恐怖を悟られないように毅然と言った。その大男との睨み合いは、暫くつづいたがやがて次の幻影が現れた。
それは彼女には馴染みの風景で、子供の頃からよく経験していた情景だった。
それから何の前触れもなく、その隊長の後ろに霧と光明が現れた。それが治まると、イエスキリストが現れたのだった。
キリストは隊長の肩にやさしく手を置き、イニドの方を覗き込んだ。そして「よろしい、もういいのだよ」と隊長に穏やかに言った。
イニドは目前の幻影を指圧治療師には告げず、治療が終わると弱々しく微笑んで部屋を出たのだった。
by levin-ae-111 | 2010-12-08 05:27 | Comments(0)