ETソウル(139)
2010年 12月 19日
私たちとETたちの最大の違い、それは科学技術などではなく、自分たち自身の内面的な探求と理解の差にあるのではないかと感じている。
マシューは自分がかつて考えられないような世界にいた可能性を受け入れられるように、ゆっくりと彼自身の心を開く訓練をしてきたのだった。
ある朝、目覚めるとマシューは地球上の時間は、全て人間の生活に合わせて決定されている便宜上の時間に過ぎないと感じた。その感覚は彼の意識に根付き、次第に大きくなっていった。その朝、彼は目覚めると一瞬にして、過去の全てを経験したことがあった。
その時からマシューは、時間が細切れにされていない永遠の世界に自分がいると、いつでも感じられるようになったのだ。実際に彼は、時間に縛られない自分自身を体験していた。
時間の束縛から自由であるという意識は、宇宙旅行と同様にタイムトラベルも可能になるという可能性を持っている。しかし意外にも、彼はそのことを余り気にしていないと言うのだ。疑問に思ったマンデルガー博士は、その点について説明を求めた。
「そういう能力があると、自惚れてしまい、心が乱されるからね」と、いうマシューの答えからは、再び多くのETが口にする『何と言うこともない』という感じを連想させる。
そして、もうひとつの質問(地球上のETの使命は?)に対する答えは、他のETたちの考えを実によくまとめてくれたと感じさせた。
「例え自分がETで宇宙船の指揮官であったとしても、特にどうという事もない。何事についても過度に囃し立てられている場合、不要な要素を取り除いて、正しい本当のことだけ判るように努めている。例えば、この人はどうしてこんな事を言っているのかと、考えたりしてね。余り仰々しくすることは、現実的な問題からの逃避になり易い」と説明する。