人気ブログランキング | 話題のタグを見る

身の回りの出来事から、精神世界まで、何でもありのブログです。


by levin-ae-111
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

十六菊花紋の秘密 10

第2章 地球のバイオリズム (人類史の法則)

1.スピンする人類史

「あなたが知る知識の中に、すでにこの法則を解くヒントはある。それはある歴史上の人物の語った言葉だ」
 そう言われて千賀は、自らの全てを見抜かれている様に感じ、老人に対して一種の恐怖を感じた。そして思った、一体、自分は何を体験しているのか?自分が今、通常の次元にいないことは解っていたが、目前にいるシュメールの神官と名乗る老人は余りにリアルだ。
そう思いながらも、千賀は老人の言った歴史上の人物を考えてみたが、分からない。
 暫く考えて思いついたのは、ヘーゲルの『歴史は東から西に向かって進む』と言っている。千賀にとって、この言葉は余りに奇妙であった為に印象が深かったのだ。
東から西に向かって進むということが、もしかして偶然ではないということだろうか。彼の思いに答えるように老人が言った。

「これは地図上では東から西への移動に見えるが、実際の地球においてはこの現象は西回りに回転するスピンなのだ。このスピンが単なる偶然の現象ではなく正確な法則である証は、東から西へとスピンするその時間と空間の関係にある。そこには我々が聖なるリズムと呼んだ正しい地球のバイオリズムが潜んでいる」
正しい地球のバイオリズムとは何か?千賀は、それをもっと詳しく知りたくなった。
「近年、世界の中で最も優位な立場にあった国から、人類の歴史を振り返ってみるがいい」
 老人の言葉を聞いて千賀は、素直に考えてみた。
近年で最も力を持っている国は言うまでもなくアメリカだ。アメリカの歴史は、イギリスからスタートしていると言ってよい。
アメリカの繁栄以前に最も優勢だった国は、アメリカの東にあるイギリスが世界の最先端をいく文明国だった。確かに東にもどることになる。
では、イギリス以前はどうか?そうだ、東ヨーロッパが強い勢力を持っていた。
その以前はどうだったか?これもヨーロッパより東のギリシャに文明の中心があった。
更に、その以前は?そうだ、更に東に位置するエジプトやメソポタミアだ。
 歴史の焦点は確かにヘーゲルが言うように遡れば遡るほど、東へと行き着く。これが偶然の結果ではないと、老人は言いたいのだろうか。

 千賀は思った。そう言えば、この流れの速度は一定の速度のような気がする。
「その通りだ、これは常に一定する速度のスピンなのだ。正確には1611年間に、経度にして22.5度、聖なるリズムの焦点は西側にスピンするのだ」
その瞬間、余りにも細かな数字に千賀の頭は真っ白になった。それほどに、厳密な法則が人類史に働いているとは、想像すら出来なかったからだ。
「この原理の謎を解くには、先にも言ったように、これがスピンリズムだという点を理解する必要がある。説明は少しずつ進めていくことにするが、宇宙の天体やミクロ宇宙のすべてがスピンであるように、あなたはまだ信じないだろうがこれはある意味で物理現象なのだ」
「物理、現象!!」千賀は思わず、そう口に出してしまった。
意志を持った人間の文化・文明とその歴史が、物理現象などとは信じられる筈もない。常識的には考えられないことを、老人は言ったのだ。
勿論、老人が言ったように、別次元の認識によりシュメールでは天体観測が熱心に成されたのであろうが、それにしても直ぐには信じられる話ではない。
 
 だが老人は1611年と22.5度という、具体的な数字を示している。これは調べてみれば判ることだ。千賀は日本に帰国してから、実際に人類史の流れを調べてみた。
どの時代にどんな文明がどこで栄え、それがいつ滅んだのか、彼は数ヶ月間も図書館にこもり徹底的に調べてみた。
結果として、老人の告げた事柄の余りの正確さに、空恐ろしさを感じることになった。
 まさしく人類史は1611年を単位として、その節目ごとに22.5度ずつ西に最優位の文明拠点が移動していたし、新たな文明がその単位で開花していた。しかも、その精度は呆れるほどに高く、0.1度も狂ってはいなかった。
話は再び、神殿の中での老人の対面の場所へと戻す。
「私はあなたに判り易いように物理現象と言ったが、私たちは今のあなた方のように、物理現象を単なる物理現象としてはとらえていない。これは同時に私たちにとって神でもある巨大な大地、地球の命の脈動でもあるのだ。私たちシュメール人はそれ故に、聖なるリズムと呼んできた」
by levin-ae-111 | 2011-05-27 05:12 | Comments(0)