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by levin-ae-111
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十六菊花紋の秘密 11

 しかし千賀には一つ気になることがあった。それはヘーゲルが述べているのは西洋の歴史であって私たち東洋のそれは含まれていないのでは?という疑問であった。
ところがこれに対する老人の言葉は、千賀を更に驚かせるものだった。それはまるで素粒子と反素粒子のように、西洋側のスピンを鏡に映したように、もう一つの正反対のスピンが存在することを老人は明かしたのだ。
「この法則はもちろん、東洋の歴史にもあてはまる。具体的にそれは1611年に22.5度東回りに移動するスピンである。実際にはこれは東洋でもなければ西洋でもない。
互いに正反する一対のスピンなのだ。
即ち両者のスピンは、生命に男女があるように、互いに相互作用で進展していく、相対性の原理に基づく命のリズムなのだ」

 そんな馬鹿なことが・・・それでは、我々の存在はバイオリズムに導かれる一つ一つの細胞のようなものではないか!だが、そう思う一方で、歴史を振り返ると、認めざるを得ない事実が浮かんでくる。
 近代、アジアで最も優位だった国は日本である。しかし、日本がアジアをリードした歴史は浅い。それ以前の日本は1500年の間、中国や韓半島の国々から諸文化を学び続けて発展した。唐の時代、中国は最先端の文明国であり日本にとっての先進国に留まらず世界中から使者が集まるような世界最高峰の国であった。
この中国にしても遡れば、仏教や建築技術など、日本が中国から学ぼうとしたのと同様にインドその他の西側の諸国から学んだものだった。
それだけではない、高度な哲学思想を生み出した古代インド(ガンジス)文明も、それより以前に発生した西のインダス文明を基礎に成立した。
 その以前の歴史を遡れば、インダスに多大な影響を与えたとされる人類最初の文明の発祥地シュメールへと辿り着く。この時代には現在ではイラクであるこの地域が、世界で最も進んだ文明地帯だった。そして、これらが移り変わる速度も一定のようである。
千賀は、ますますこの老人が薄気味悪く感じた。

「我々が築いたシュメール文明の後に華々しい文明をスタートさせたのは、あのインダス文明だった。この文明の誕生の地を計測してみるがいい。それは、このエリドゥから正確に22.5度東にスピンした位置にある。
この文明の誕生は主目経る文明から、1611年後を基点とする時であり、地球上を東回りに1/16スピンした位置からスタートした。地球といわれるこの巨大な命は、一種のバイオリズムを持ち、その最活性化ポイントは1611年間に22.5度、すなわち地球上を1/16角度分、円周上を移行するのである」
1/16?これは、老人が先に指摘したシンボルと関係があるのだろうか。それにしても、何ということだろう。後に千賀が調べてみると、インダス文明の中心であるモヘンジョダロはエリドゥから22.5度に正確に位置していた。そして、その位置ばかりか年代に関しても老人の述べることは当たっていた。
 インダス文明の完成は4600年ほど前と推定されており、そのスタートの年代はシュメール文明誕生から数えて1611年後に当たる年代であった。
(しかし、年代という問題に関しては難しい面がある。というのは、文明の基点となった場所は特定可能であろうが、文明の始まりと終わりは、ここからここまでとは特定することが非常に難しいことであるからだ。但し、この場合は地球のバイオリズムの影響、すなわち1/16のスピンの影響が人類社会に顕著に表れるのは本来の変化からズレるので、期間についても多少の幅があるのであろう。)
by levin-ae-111 | 2011-05-28 07:14 | Comments(0)