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by levin-ae-111
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十六菊花紋の秘密 23

大地が人類の性質と盛衰を決定づけている
「聖なるリズムが地球上の16の焦点に光を当てる度に、さまざまな民族に光が当たることになり、どの民族に光が当たるかは一定の法則がある。
 賢く真面目なドイツ人と開放的なアメリカ人の性質とでは、まるで別人種のような開きがあることは、あなたにも分かるだろう。だが、人種の上では彼らは全く同一の人種だ。
これが大地の脈動に導かれる人類の真実の姿だ。民族の個性を形作るものは、血統でも環境でもない。それを決定づける本質は、常に大地の力なのだ。自然環境さえも、この大地の力に導かれる結果の世界に過ぎない。全ての変化の本質には、大地の脈動があるのだ」
そう言われ、16あるポイントのそれぞれは、単にパワーが強まるだけでなく、各々に生命体のような個性が存在するということなのか?と千賀は思った。

「その通りだ。それぞれのポイントには、全て異なるそれぞれの個性がある。これには整然とした法則が働いている。ロンドンを中心とした0度ポイントは、現在陸地となっている場所で最大の分離相対性の働くフィールドだ。この性質は生命における男性性に象徴される性質であり、その働きは生命の全体性に反映される。個の主張や論理性に長けている彼らの性質も、この大地の性質に育まれたものだ」
何処に住んだかにより、運命が変り歴史が変わる。それまで接した事のない世界観に、直面した千賀の戸惑いはいかばかりだったろうか。一方で千賀は、一体どうして大地の力がどうやって人類や民族の個性を形作るというのだろう、と不思議に思った。
それに対して老人は、以下のように答えた。

「大地の脈動がまず現れるのは、見えない波動的領域だ。しかしこれは、あなた方の五感では認識できない。次にその影響が現れ易いのは低次の波動領域だ。例えば、あなたの国、日本の人々がかつて言霊と言った、その本当の領域だ。音にはそれぞれに個性がある。
各個人が言葉として発する微妙な音の差異は、各個人の見えざる波長と結びついている。
そして音の組み合わせである言語には、その構造そのものにも個性が生ずるのだ。
 人類文化の個性を形作る中枢となるもの、それは言語なのだ。現在、アングロサクソンの言語である英語は、世界的言語として定着している。この英語という言語は、解り易く言えば、今現在の言語の中で個を主体とする性質や、男性性を表面化させる最も強い言語だ。かつて、ほんの小さな島でのみ話されていたこの言語は、今や世界の共通語のように広まっている。脈動ポイントに位置する民族の言語は、過去の全てがそうであるように、必ず地上で最大の言語勢力になるのだ。言語というものは人類の全ての文化の核であり、人類の全ての文化は言語の持つ特性により維持される」
確かにその通りだった。地球の片隅の小島でのみ話されていた言語が、世界的に流布し共通語とも呼べるまでに拡がったのには、人知の及ばない単なる人類史のレベルを凌駕した力が働いているということなのだろうか。

「言語というものは、それを話す人々の観念の全体に最も強い影響をもたらすことになる。世界の人々が英語を話すようになった裏には、単なる言語領域を超えた意味がある。
英語と呼ばれる言語の性質は、人間の持つ対照的な極性の内、一方を強く引き出す性質を持っており、その性質の顕現は0度文明期の進展にとって不可欠な要因であったのだ。
 一方、現在の言語の中でそれと対照的な性質を最も強く持つ言語は、極東に位置するあなたの言葉である日本語だ。最大融合極性の地で形成された日本語には、他の言語にはない、際立ったある潜在的特性が秘められているのだ」
 最大融合極性の地?それは、何を意味するのだろうか。
by levin-ae-111 | 2011-06-10 04:58 | Comments(0)