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by levin-ae-111
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十六菊花紋の秘密 53

 それにしても存在ごとに異なる自立時間を、宇宙はどのようにして無数の自立時間を形成するというのだろう。

「その形成原理こそ聖なるリズムの根本原理である1対1/16の法則なのだ。
一つの自立時間スピンがあり、その16倍の空間量を持つ時空間スピンがあったとしよう。すると、この自立空間スピンの時間の速さは、前者から見て1/2になる。逆に1/16空間量のスピンの自立時間スピードは2倍になる。宇宙の全てはこの法則に貫かれている」

千賀は原子核の周囲を周回する電子のスピードが、恐ろしいほどに超スピードであり、葉反対に太陽を周回する惑星のスピードがゆっくりである事を連想した。
それを千賀は単なるスピードの問題だと思っていたが、そうでなく自立空間の形成比率をそのまま正確に反映しているということなのだろうか。

「太陽系の惑星の周回も、電子の周回もそれぞれの空間意識にとっては、高速でも緩慢でもない。宇宙の全てのスピン単位は、それぞれにとって平均の時間量を与えられているのだ」

 それにしてもどうして、16という数値が一つの単位となるのか。そう思った瞬間に千賀の脳裏にある光景が浮んできた。それは出産を前にした妊婦が、胎児の心拍数を測る機械を装着している光景だった。
その測定器の数値は胎児の心拍数が1分間に150を越え、時には170に達することを示している。私たちの約2倍の数値だ。そして千賀は計算してみた。
新生児の体重は約3キロ、それを16倍すると48キロとなり、それは小柄な成人の体重に近いとも言える。もしかしたら、老人の言っていることは生命にもあてはまるのか?
 そう言えば同じ1年でも子供の頃は、今よりも長く感じていた。

「この法則は惑星や素粒子だけでなく、あらゆる生命に普遍的にあてはまる。人間の新生児と同じ空間を持つ生物の心臓の鼓動の速さは、如何なる種類の生命であろうと人間の新生児と基本的には同じだ。
 これは宇宙の時空間法則が、相似的に生命にも表された結果なのだ。もしも生命の心臓の鼓動がその所属惑星と無関係に生ずるというあなた方の通念が正しければ、心臓の鼓動の速さは生命によって全く異なるはずだ。地球の全生命に共通の規則性が存在するのは、生命がその星の聖なるリズムを自らの鼓動としている結果なのだ」

 千賀は老人の話を傍証する事実に後に出会うことになり、非常に驚いた。本当に全ての生命の鼓動は一つの法則に貫かれているのだ。
私たちのような生命体が宇宙のスピン体と同じ時空間比率で構成され、更にはその比率が人類の文明史に表れる比率でもあるという、全てを統一してしまうこの法則に千賀は畏敬の念さえ感じ始めていた。

「異質自立時空間をスピンが形成するにあたり、同時に生ずる根本的性質がある。
それは周期リズムだ。存在という散在は全て時空間スピンによる秩序化であるが、自空間スピンには宇宙を秩序化させるに必要な根本的性質が備わっている。
その性質こそ、一種のリズムであり、律動なのだ。
 あなた方はリズムというものは、何かによって作りだされるものだと思っているが、本当はそれは存在以前の働きなのだ。時間そのものにリズムが最初からあり、空間そのものにリズムが最初からあるのだ。
それは生命にとっての鼓動に例えられる。生命体が鼓動の働きによって生体秩序を維持するように、宇宙のあらゆる存在はたった一つの鼓動によって、秩序ある運行が組織されるのだ」

by levin-ae-111 | 2011-07-10 06:35 | Comments(0)