凹んだ話(昨年のリバイバル)
2011年 12月 06日
経済大学を卒業した私は、科学物質の事など全くの無知である。勿論、それに関する法律の知識も一切持ち合わせていない。
そこへ「法改正に基づき、MSDSの表記を改正前のPRTR番号と改正後のPRTR番号を併記して、発行をお願いします」と、取引先からのメールがあった。
元々は上司が受けた要望だったが、先方の指定した期限ギリギリになってからこちらに振ってきたのである。
「何だ、これは?」しばし呆然となった。しかも期限は当日までという厳しい情況だった。当然、間に合わず3日後に「お詫び状」を添えて提出し、ホッと一息。
それを済ませてから、溜まりに溜まったクレーム対応やカタログに載せる製品データの作成や必要な試験等などを必死でこなしていた。
午前中にはラインに入らねばならず、午後の4時間なんてアッと言う間に過ぎていく。それに会社の事情もあり「早く帰れー」とうるさい。
今日も何とか少し仕事を消化して、事務所のデスクでパソコンのメールチェックをした。それが大陥没(大凹み)の発端だった。
メールは例の「法改正に基づくMSDSの・・・」の先方からの知らせだった。
「間違っているので訂正して再発行して下さい」だと!!
それに拠れば「表記の物質は全てPRTRの対象外で・・・・」
あんなに必死で調べたのに、上司にも確認をお願いしてOKを貰ってから提出したものが間違っている!!
考えてみれば上司達も文系で、科学物質など僕と同じでチンプンカンプンだったに違いない。凹むなぁ。
相手は専門家のチームだし、皆で書類を見て大笑いしたに違いない。
他にも難問が山積みで一人では対応できない。他部署の協力ばかりしているが、自分には誰も協力者が居ない。それで「品質管理課」だと、勿論、代打みたいな立場の私は課長ではないし当時は部下も同僚も居なかった。
野球でいえば満塁のピンチに投手経験ゼロの野手が、マウンドに送られたようなものだ。
ピンチを押し付けておいて、打たれれば見方ベンチからも罵倒される。
冷たい上司はベンチでコーラを飲みながら、青息と息でマウンドに立つ私を野次っている。それも相手チームよりも酷い言葉で・・・・。
一事が万事これで、上の人は逃げ、私の様な弱い立場の者にしわ寄せがくる。まさに現代日本いや、人類社会の縮図がここにある。