領土問題
2012年 08月 20日
それは相手の国内事情であったり、資源に関連する都合だったりと、誠に勝手なものだと感じさせられる。
余談だが尖閣に上陸した香港の活動家たちの顔は、何れも目を吊り上げて険しい表情で、まるでならず者のようだった。しかし、別の機会に取材を受けていた彼らの内の二人は、まるで別人のようににこやかで穏やかな表情を見せていて、そのギャップに驚いた。
ロシアの大統領は北方領土を訪問し、迎えた地元の為政者に「これっぼっちも、渡さない」と力強く宣言していた。
韓国の大統領にしても、竹島とは無関係の天皇陛下についてまで言及するとは、何か常軌を逸している。
こういった問題が発生する原因は、日本政府が戦後処理をしっかりと行っていないからだとする意見があるが、私はそうは思わない。
どう謝罪しようが、日本の周囲の国々は自分の都合により、今のような態度に出てくるのである。約束を守る気などない者たちに、約束など無意味であるからだ。
中国はなる程大国であるが、イザとなったら日本企業を完全に引き揚げさせるくらいの気概が日本政府には必要であろう。
経済大国とはいっても、その辺りが中国の弱点であると、私は見ている。安い労働力に惹かれて多くの企業が中国に進出したが、もうその魅力も薄れている。
中国の他のアジア諸国の領域への侵入も著しく、フィリピンやベトナムなどは中国に抗議するも小国ゆえに相手にされていない。日本企業はタイやベトナムへと目を向け始めているが、今後は中国から撤退して、そちらへ生産拠点を移して行っても良いだろう。
そして中国の覇権主義的なやり方にも、日本、フイリッピン、ベトナムが連携し、タイやインドネシア、などの力も借りるべきであろう。
韓国は日本以上にアメリカの軍事同盟に依存して、安全を保っている。北朝鮮とは正式に終戦を迎えておらず、長い休戦状態にあるのが本当のところだ。日米同盟の絆を強めることが、今は大切だという人もいるが私は法的に出来る限りの措置をして、放置しておくしかないと思う。
ロシアは昔から日本の驚異であり続けているが、やはりそれなりの対抗力も必要になるだろう。ソ連時代から彼の国の外交は余り変化していないと私は感じる、弱みを見せれば付け込んで来るそういう国だ。
日本の周囲は敵国とは言わないまでも、常に隙あらば何事につけて利用してやろうと狙っている国々ばかりである。そういう真っ只中にある日本だから、中国も輸送機オスプレイの導入に文句をつけている。中国も在日米軍や自衛隊が攻めて来るとは全く考えていないだろうが。文句を付けるというのは自分達が攻める時の脅威を減らしておきたいから、としか考えられない。そこに、彼らの本音が透けて見える気がする。
しかし、こんな議論は最初から馬鹿げていると思う。地球の陸地も海も空も、本来は誰のものでも、何処の民族のものでも、何処の国のものでもない。
人間が勝手に区分けし、ここは自分たちのものだと主張しているに過ぎない。人間はグレイゾーンを多く持っているが、こういう境界争いの場所はグレイゾーンにして、誰も入れない或いは誰でも入れるという風に出来ないものだろうか。
何れにしても欲望むき出しの周辺国の身勝手には、呆れるばかりである。それは同時に余りに幼稚な人類の精神性の表れであると考えれば、悲しくなる。