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by levin-ae-111
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日本軍の秘匿兵器

日本軍の秘匿兵器_a0160407_535672.jpg
 戦争には間に合わなかったものの、日本軍は実に多くの新型兵器を考えていた。
例えばジエット戦闘機「橘花」。日本初のジエット推進の戦闘機である。
しかし、その実態はいってみればドイツのMe262のコピーだった。主機はドイツ製BMW003の設計図を基に開発されたネ20である。
残念ながらネ20はBMW003の60%程度の出力しかなかったが、僅か半年で試作機の製作にまで漕ぎつけた日本の技術力はなかなかのものである。

 しかし橘花はドイツのジエット戦闘機とは異なり、特攻兵器として開発された。当時の軍部は本土決戦の水際作戦で、このジエット機を使って敵艦船への特攻を考えていたらしい。工業力の疲弊した日本にとって手間の掛かるレシプロエンジンよりも、より簡単に生産が出来て、燃費も良いジエットエンジンの方が好都合だったのだ。驚くべきことに、この橘花は石油ではなく松根油で飛行した。昭和20年8月7日に初飛行に成功したが、11日のテスト飛行で離陸に失敗し破損したまま終戦を迎えた。

それに対して陸軍でもジエット戦闘機の開発が進められており、こちらの方は純粋な戦闘機として開発を行っていた。キ201「火龍」がそれで、純粋な戦闘機として考えられていた。
尤も完成予定が20年12月の予定だったというから、最初から間に合わなかった。
ジエットエンジンはレシプロエンジンに比べて部品点数も少なく、製造は比較的容易であったといわれる。
ジエットエンジンはタービンで前方から空気を吸い込み、燃焼室で燃料と混ぜて爆発させ、それを後方に吐き出すことで推進力を得ている。複雑な燃焼室や給排気のバルブやカムなどが不要な分だけ、初歩的なものならレシプロエンジンよりも簡単に済むらしい。

 このジエットエンジンの欠点は、タービンの耐久性で本家ドイツでもその寿命の短さに苦慮していたようだ。特に噴射側のタービンは高熱に曝されるために、直ぐに亀裂が入り故障の原因になったようだ。
現代でもこのタービンの寿命が問題で、中空にして空気を通し冷却するシステムを組み込んだりして冷却に工夫がなされている。点検は頻繁に行われ、日本の航空会社ではブラックライトなどを用いて小さな亀裂も見逃さないように細心の注意を払って点検されている。
 航空機のエンジンが最も過酷な状況に曝されるのは離陸の時で、回転が最高になりタービンに掛かる負荷が最大になるからである。
話しが逸れてしまったが、橘花が松根油で飛行できたのも、ジエットエンジンの単純な構造によるものだった。
by levin-ae-111 | 2012-10-11 05:36 | Comments(0)