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by levin-ae-111
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ある父子の挑戦(夢の扉+より)

 美しい北アルプスを望む富山県滑川市に、その会社は在る。事業内容は廃棄物破砕機の製造販売である。社名をエムダイヤという。
父は鉄工所「森製作所」を経営していた。技術者魂の塊のような父は、タイヤのリサイクルという難題に対峙し、これにのめり込んでいく。
タイヤは、ゴムとワイヤーが絡み合っており、これの分離が困難だった。故に人気の無い場所に不法投棄され、山積みに成っていた。時にはそこから出火し、山火事に成ったりしていた。

父にこれを何とかしたいとの依頼が舞い込み、彼はその処理マシーンの開発に没頭した。何年も試行錯誤を続けたが、機戒は一向に出来上がらない。経営も顧みずに開発に没頭する父の傍らで、経理を担当していた母は資金繰りに苦労を重ねていた。
そして遂に倒産に至り、借金は3億にも上り、自宅も競売に掛けられた。息子は父の背中を見て育ったからか、機戒メーカーに技術者として就職していた。
 倒産の憂き目に遭った父を救ったのが、自元の会社社長だった。父を従業員として迎え入れ、「また鉄工所を作れば良いじゃあないか」と励ました。
働き続けた父は、遂に格安で工場を借りて新たな会社を立ち上げた。
そして、父は念願だった夢の廃棄物破砕マシーンを完成させた。

普通は数回に分けて破砕し分別される廃棄物を、僅か10秒で破砕しながら素材ごとに分別してしまうそれまでに存在しなかった夢の破砕機だ。例えばタイヤはそのマシーンを通ると、ゴムと金属に分けられてしまう。電気製品の基盤などもプラスチック、アルミ、銅など5種類に素材別に分けられて出てくる。息子は父の会社に入り、社長を務め父の造った画期的なマシーンを売って回る。
その息子が父に対してかつて抱いていた思いは、怒りだった。金策に走り回る母を横目に開発に没頭する父に怒りを覚えたのだ。父は仕事に逃げている、そう息子は感じたからだ。技術者としては深く尊敬しているが、経営者としては失格だと父を評する息子。しかし営業を始めてからの息子は、技術者としての父が、昔から如何に人間関係を大切にして来たのかを思った。そして自分成りにそれを大切にしようという思いで、営業回りをしている。

この地方の小さな会社エムダイヤは、親子3人の三人四脚で立ち上げられたが、今や世界へと羽ばたこうとしている。その破砕機の圧倒的な高性能を見せられ、廃棄物業界はたちまちこれに注目した。破砕機を通すだけで高精度の分別をしてしまうこの機械は、廃棄物業者にとって正に夢のマシーンだ。これを使えば、時間と経費の大幅な軽減が可能である。
この親子鷹が造って売る夢のマシーンは、日本を飛び出して世界から注目を浴びつつある。
先日も中国への売却が決まったという。
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by levin-ae-111 | 2013-04-15 05:31 | Comments(0)