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by levin-ae-111
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日本の駆逐艦(5)『朝潮型』

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 条約下での建造となった『初春型』と『白露型』は、武装こそ強力であったが渡洋性能など多くの点で到底、満足できるものではなかった。また、この時点で設定されていた戦場は、日本近海であったから何とか対応できた。
しかし対米戦争となると話しは別で、設定される戦場は遠く南方の海上となる。つまり、マリアナやカロリン諸島での戦いが設定されるべきであった。

 この『朝潮型』は条約期間内の起工であるが、1937年(昭和12年)の条約失効を睨んで設計されており、起工は1934年である。
また航空機時代の到来を睨んで、空母との行動も要求され、航続距離の増大が必要であった。それらの諸点を鑑みて計画されたのが、本型である。
ネームシップ『朝潮』以下、10隻が建造され全ての艦が戦没している。

『朝潮型』
朝潮・大潮・満潮・荒潮・朝雲・山雲・夏雲・峰雲・霞(かすみ)・霰(あられ)
排水量:2370トン/水線長:115メートル/水線幅:10.35メートル
出 力:50000馬力/速 度:35ノット/乗 員:229名
武装 主砲:12.7センチ連装砲×3基 25ミリ連装機銃×2
61センチ4連装魚雷発射管×2 航続距離:4000浬
主なデーターは資料によって異なっているが、その点はどの時点での資料を基にしたのか、或いは詳しく書くべきところを略したかであろう。

この『朝潮型』では以前の『吹雪型』で14ノットだったものを、速力を18ノットに上げて尚且つ航続距離の伸延が図られている。魚雷を『白露型』と同等、兵装は『吹雪型』と同等と位置づけられていた。つまり『吹雪型』と『白露型』の特徴を併せたような設計となっている。
全体としては空母に随伴して遊撃機動作戦を行うという目的で、兵装、航続距離ともに『吹雪型』で確立された特型駆逐艦の再来を狙ったものであった。

因みに『朝潮型』と同様に条約の失効を見越して計画された艦には、空母『蒼龍』と『飛龍』の2隻も含まれている。また『大和型』戦艦も、似た様な手法で計画されたものらしいが、やはり軍縮条約は日本海軍の建艦計画に最後まで暗い影を落とし続けたのである。
それは艦船の運用計画や作戦計画にまで及ぶものであり、対米戦を考えた場合に不足感が否めなかったのだろう。それが真珠湾攻撃で「一隻の空母も失っては成らない」という名雲司令官への束縛となり、艦隊は更なる攻撃を加えることなく反転してしまったと言われている。戦力が不足しているという海軍上層部の認識は正しいものであったろうが、実戦部隊指揮官の戦力喪失への必要以上の萎縮を招き、実戦での思い切りを欠く要因と成ったのではあるまいか。


駆逐艦『朝潮』
砲塔は後部に2基、前方に1基の配置になっている。
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by levin-ae-111 | 2013-05-14 05:40 | Comments(0)