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by levin-ae-111
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日曜劇場『半沢直樹』


 堺雅人さん主演の銀行員を描いたドラマだ。小さな町工場を経営していた半沢直樹の両親は、取引先の倒産の煽りを食って危機に陥る。それまで頼りにしていたメインバンクは手を引き、工場は倒産寸前だった。工場の技術を高く評価した某銀行が融資の話しを持って来るが、一歩遅くすでに遅く父は自殺してしまった。
だが銀行の融資で工場は母親が続けている。半沢は大学を卒業すると、銀行員となる。
そして時は流れ、直樹は合併して日本第3位のメガバンクとなった銀行で、関西地方の主要支店の融資課長を務めている。

 支店長は本店の役員入りを狙う位置にある有望な人物だが、融資額100億円を達成して全支店の中のトップを目指している。だが100億まで後5億足りず、焦っている。
そこへ5億の融資を受けたいという企業があり、支店長はその話しに飛びついた。煩い半沢を避けて、2年目の新人にその重要な仕事の担当を任せる。
半沢たちは異議を唱えるが、半沢が新人の面倒を見るという条件付で支店長はゴリ押しした。
支店長の思惑通りに支店は融資額トップを獲得し、支店は表彰される。
だがひと月後に融資した会社が粉飾決算をしていた疑いが浮上し、その後にはあっさりと倒産してしまう。
半沢は責任を問われ、融資に反対した半沢に支店長は「私が全責任を持つ」と断言したのを翻して半沢がすべて悪いと本店にまで出向いて吹聴していた。
査問会で責められた半沢は、支店長と本店の審査部の落ち度を指摘し、その場を辞すと逃げた経営者を追う。

ドラマは醜い銀行の内情を表現しているのだが、その最たるものは『部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任』的な台詞があった。
こう書くと酷く醜い事の様に感じるが、実際にはどこの世界でも多少の差こそあれ似た様なものであろう。
そんな銀行の体質に風穴を開ける様に、上司の嫌がらせに屈せず5億円回収に走る半沢の姿を描く。
夫と同様に社宅の妻達も各々に闘っている、上司の妻に部下の妻たちは従わざるを得ないのである。勘違いも甚だしいのだが、それもまた現実に存在することなのであろう。

醜い現実と闘いながら、突き進む半沢の姿に銀行に恨みを持つ倒産企業の元社長も協力を申し出る。それは知り合いの会社を融資により救った半沢を信頼したからだった。
半沢の父は「どんな仕事をしても良いが、人との繋がりを大事にしろ」と言い聞かせていた。
それが銀行マンとしての半沢の行動の規範とも成っている。半沢の宝物は父が作った高性能のプラスチック製のネジである。それは父が死んだ日に工場で拾ったものだ。
中学生だったあの時、口惜しさで強く握りしめ、手のひらを傷つけたそのネジを大切に持っている。

協力者と共にお金を持ち逃げした倒産会社の社長を追う半沢、この結末は如何に。2回目以降が楽しみなドラマである。シリアスな役に挑む堺雅人さんの演技も楽しみである。
他には及川光博さん、北王子欣也さん、上戸彩さん、赤井英和さんなどが脇を固める。
 初回を観ただけだが、お金を扱う銀行の、それも合併してメガバンクとなった行内の勢力争いは相当なものであろう。私の勤める会社でも同様の争いが実際に存在するのだから、メガバンクならばドラマで描かれる程度の争いは想像に難くない。
人間の裏の醜い顔を知っておくのも悪くはないかも知れないが、それよりも半沢直樹が醜く淀んで腐った銀行の体質に風穴を開けて行くであろう続編に期待大である。
by levin-ae-111 | 2013-07-09 22:49 | Comments(0)