ドラマ『Woman』
2013年 07月 11日
子供も生まれ幸せだったが、ある日駅で列車に轢かれ死んでしまう。
残された妻は二人の幼子を抱えて、たちまち生活に窮してしまう。
実家の母親とは折り合いが悪く、もう何年も会ってさえいない上に母親は再婚した男性と暮らしている。
必死で仕事を掛け持ちして働く妻、青柳小春はそれでも明るく健気に頑張るが、前途には経済的な問題や小春自身の健康問題、母親との関係や初めて知った妹の存在など様々な問題が持ち上がりつつある。
ストーリーの始まりは夫との出会いから描かれているが、それを聞いているのは娘の望だった。その時点ですでに夫は亡くなっているという設定である。
女性にとっても男性にとっても、一人で子育てをするというのは非常に大変なことである。増してやこのドラマの設定の様に実家と疎遠で、孤立無援となれば猶更である。
時間的な制約を嫌って仕事先は限られ、収入も低く子供たちを預けるにしても多額の保育料が必要になる。生活保護を受けようにも、立場の弱い人々には役所も強気で、簡単には受給してくれない。
日頃の無理が祟って小春は役所で倒れ、職員に付き添われて病院へ行く。その帰り道に職員にお金の無心をする小春。500円でも良いから貸して欲しいという程に切羽詰まっていたのである。
少し暗い感じの話だが、それでも小春が娘と息子に向ける眼差しと態度は、愛情に溢れている。その微笑ましさが、僅かに救われる想いにさせてくれる。
「女が子育てしながら生活レベルを維持するには、風俗か再婚しかない」という同じシングルマザーである小春の同僚の台詞は、本当にリアルである。
少し心を痛めながらもドラマに見入ってしまうのは、主演の満島ひかりさんや子役たちの演技力の故であろうか。
出演者
満島ひかり・小栗俊・田中裕子・小林薫・臼田あさみさん等