背中の翼
2015年 01月 04日
遂には頭頂に達し、細くて弱かった感覚は太くなり、現在では物理的な身体からはみ出してしまっている。
その感覚が拡大する過程で、肩甲骨の付近により強く、より大きく感じていることに気がついた。私はその感覚で遊びながら、それに気づいたのだったが、まるで翼のようだ。
閉じる、広げる、羽ばたくなどして遊び、いつの間にか感覚は拡大していた。翼を閉じて立ち上がると、翼の端を地面に引き摺る、そんな感じの大きさだ。
ある日、友人の紹介で元お天気キャスターをしていた女性とお会いする機会があった。様々に霊的な感覚を持つその人に、私は思い切って『背中の翼?』について聞いてみた。
彼女は少しも驚かず、こう訊き返してきた。
「その翼の色は、どんな色ですか?」私は迷わず『白』と答えた。
実は彼女も翼を感じていて、やはり白いのだと言った。更に翼には白と黒があり、白い翼の者は人を助け、黒い翼の者は身勝手で自分本位なのだと付け加えた。
彼女は私が白い翼でなければ、会うことも無かったかも知れないとも言った。どうやら翼の色が異なる者は相容れない間柄らしい。
何故に今頃『翼』の話しなのかと言えば、何も知らない筈のブロ友さんが、ブログの返コメで私の翼について触れたからだ。
私は驚いたが、しかしこれで自分の感じている見えない翼は、本当に有るものらしいと再確認できた。
そんな翼が有っても空を飛べる訳でもないが、この世ならぬ世界では飛べるかも知れない。
ある日の瞑想の時、イメージの中で写真の様なスタイルで戦っていた。相手は巨大な赤い蛇のような者を頭にして、大勢で攻めてくる。私は独りで剣を抜き、群がる敵を次々と斬るのだが、際限なく押し寄せる敵に疲労が蓄積し始めていた。
「もう駄目か」と思った時、三人の仲間が駆けつけてくれた。暗黒の空間で繰り広げられる闘いは、遠目でみれば白い光と赤黒い光が激突するように見える。
それは、まるでスターウオーズの世界だ。私や仲間は白い光の尾を引き、敵は赤い光の尾を引いて入り乱れて戦っている。
敵の手下の多くは3人の応援部隊に向かって行ったので、私は敵の頭目と一騎打ちだ。
頭目は流石に強く、一進一退の闘いだった。
しかし遂に相手の鋭い牙の生えた大きな口に、剣を差し込み横方向に相手を切り裂いた。
切り裂かれた敵は赤黒い光の余韻を残して、次第に消えて行った。
荒い息づかいで周囲を見渡すと、敵は大方が切り伏せられたり逃亡したりして、闘いは終わっていた。
二筋の白い光が各々に違う方向に飛び去り、一人の仲間は私の近くに来て、ウインクして親指を立てて見せて去って行った。
この時に私は自分の姿を明確にイメージ出来た。ペルシャ風の甲冑に身を包み、両刃の剣を持った姿だった。そして背中には大きくて真っ白な翼が有った。