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by levin-ae-111
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丸花蜂の一生

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丸花蜂の一生_a0160407_12215540.jpg
 蜂といえば怖い、凶暴な昆虫というイメージがある。とりわけスズメバチの類は、身体の大きさや毒性の強さ、攻撃的な性格が見る者を怯えさせる。
しかし蜂もよく観察すると、とても愛らしく見えてくる。特にミツバチやクマバチ、丸花蜂は、私には殊に可愛く思える。

丸花蜂は女王だけが冬を越し、初めはたった一匹で巣作りを始める。冬、地面の下でひたすら春を待ち、雪が解けると地上に出て来る。
そして早春の花から蜜を吸い、巣穴さがしの冒険に出る。多くの女王蜂はこの段階で死んでしまうらしい。
丸花蜂の女王は巣穴を見つけるのに苦労する。ネズミや鳥の巣箱、テンやオコジョの巣穴まで利用しようとするが、先住者が居れば追い払われてしまう。

 巣穴を見つけた女王蜂は、蜜を貯める瓶を作る。それから同じ様に土と唾液で幾つかの瓶を作り、そこに産卵する。この蜂はミツバチの様な六角形の巣は作らない。
丸花蜂は一つの巣で100匹程度と、数万匹にも膨れ上がるミツバチに比べとても少ない。天敵は他の蜂と同様に鳥や熊で、熊が巣を襲撃した場合は成す術がない。

女王蜂は巣作りをして卵を産み、それが一人前の蜂に成長すると、もう外には出ない。
秋になると働き蜂たちは女王を攻撃し、女王は殺されてしまう。しかし新しい女王蜂が何匹も誕生し、次々と巣立って行く。厳しい自然の掟に従った世代交代である。
新たに誕生した女王候補たちは、雄と出会い交尾をする。

冬・・・。働き蜂たちは既に死んでしまっている。交尾を終えた女王蜂は、地面深く潜って冬眠に入る。地下と言えども温度の低下は著しい。
女王蜂たちは凍り付くが、特殊な物質が体内に存在しているので、死なずに済む。
雪解けが始まり、再び女王蜂たちが地表へ姿を現す。
太古から繰り返されている自然の営みの一コマだが、自然が育む生き物の不思議を随所に感じさせられる。

写真(上)クマバチ (下)丸花蜂

この偉大にして慈悲深き天地と、その天地が育む全ての命あるもの達の身の上に、良き出来事が雪崩のごとくに起こりますように。
by levin-ae-111 | 2015-02-01 12:22 | Comments(0)