富山の伝説・Ⅳ(リバイバル)
2015年 02月 06日
何れも平安時代の末期ごろの人物とされるが、驚くべきことに富山にはこの内の二人の子孫と名乗る家が存在する。
一人は坂田金時(金太郎さん)で富山市の神通川沿いの集落に、もう一人は渡辺綱(わたなべのつな)で富山県小矢部市と福光町に子孫とされる家がある。
坂田金時は山姥の子として生まれ、山奥で熊やサル、ウサギを遊び相手に育った。後に京の都へ出て、坂田金時(さかたきんとき)と名乗る。
他の3人と共に大江山の酒天童子を退治し、武名を上げた。後に源頼親との戦いに敗れ、生家へ逃げ帰り付近を支配し、土着したと伝わる。
一方の渡辺綱は坂田金時等と酒天童子を退治し、都の鬼を退治した。子孫の家には酒天童子退治の後に主君と共に大和の法隆寺で祝宴を張った。その折の舞に使用されたとする「慰の面」と「鬼女の面」が伝わっており、小矢部市の指定文化財となっている。
また、福光町では先祖伝来の秘仏を保持している。
渡辺綱は知らないが、金太郎さんは一般には神奈川県の足柄山の出身とされている。しかしこの程度ならば、御伽噺の範疇なので他にもこれらの英雄の出身地とされる場所が存在するかも知れない。
他の有名人としては、何と佐々木小次郎が立山の麓の村で生まれたとする伝承もある。
秘剣ツバメ返しは立山から流れ落ちる瀑布、称名滝(しょうみょうだき・日本一の落差を誇る)で開眼した秘技だとも伝わる。
それにしても、伝承とは不思議なものだ。どこが本家本元かは知らないが、例え偽りでも郷土に有名の伝説の地が存在するだけでも楽しくなる。