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リアル『陸王』

 ヒットメーカー池井戸潤氏の原作を元にしたドラマ『陸王』のヒットは、最近のことだ。池井戸氏は他に『花咲舞が黙っていない』『半沢直樹』『下町ロケット』など数々のヒットドラマの原作でお馴染みだ。

『陸王』は埼玉県行田市の老舗足袋屋の『きねや足袋』の足袋シューズ創りへの挑戦を原案にした物語だ。

行田市はかつて足袋のシェアが全国の8割を占めており、数百軒もの製造業者がひしめく足袋の一大産地だった。しかし足袋の需要は減少の一途をたどり、行田市の足袋業者も往時の面影が消えつつある。

きねや足袋は従業員40名程度の小さな会社だが、ドラマと同様に伝統技術を生かした新製品の開発に社運をかけている。それが足袋シューズだ。

軽くて素足に近い履き心地はソールも薄い、だがその分ランナーの足に掛かる衝撃も大きい。しかしその事が足底全体で着地する(ミッドフット走法)無理のない自然なフォームを導き、怪我を防止する。

対する大手メーカーはドラマではアトランティスだったが、現実ではナイキである。

ナイキは薄目の靴底が主流の現在のランニングシューズに対し、全く逆の厚底の靴で勝負に出ている。科学的データーや多数の実証実験から、創り出されたシューズはアスリートからも評判は良い様だ。

きねやの足袋シューズは『きねや無敵』だったが、現在は新開発の”Toe-Bi”で勝負をかける。

この”Toe-Bi”は大手スポーツ専門店にも納入され、販売にまで漕ぎつけている。無論、アドバイスをしてくれるランナーも存在している。九州の高校で陸上部コーチを務める方が『きねや無敵』の時代から開発に加わっている。この方は裸足でフルマラソンを完走してしまう程の人物で、足裏全体で着地するミッドフット走法の達人である。

伝統を守るだけでは先細りで、遂には消えてしまう。きねや足袋は伝統技術を生かした新しい製品開発で生き残りを模索する。ドラマの様にカリスマシューフィッターも有名ランナーも新素材の開発者もきねや足袋には居ないが、ドラマの様な素晴らしい結果につながる様に願っている。


by levin-ae-111 | 2018-02-04 13:41 | 日々の出来事 | Comments(0)