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by levin-ae-111
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工業製品としての兵器

 第二次大戦での日本の誇るべき戦闘機は何と言ってもゼロ戦。この呼び名は正しくないが、零戦(れいせん)または零式艦上戦闘機と呼称する方がより正しいだろう。
この零戦には帝国海軍の無茶な要求をクリアすべく、様々な工夫が施されていた。
重量軽減のために限界までくり貫かれた骨組み、外板は新開発の超ジュラルミンで硬くて軽く、肉厚を限界まで薄く仕上げてあった。

当時、飛行機を生産できる国はアメリカ、イギリス、ドイツ、ソ連、イタリアとその殆どが西欧の国々に限られていた。その他の地域では唯一日本だけが飛行機を生産できる工業力を持っていた。しかし部品には輸入品や外国製品のライセンス生産品も多く、完全に国産という訳でもなかったが、若手技術者たちの努力によるその設計は独自のものだった。

零戦と並び海軍が誇った戦艦「大和・武蔵」も無論、世界に通用する立派な工業製品であった。幾重にも仕切られた船体はダメージコントロールを考えたものだし、巨弾を発射する砲を載せて旋回する砲塔はそれだけで数千トンもあり、これを安定して旋回させるには山積みであった技術的な課題をクリアする必要があった。
そればかりでなく巨弾を弾庫から上げる仕組みや、巨大な推力を搾り出す機関、砲弾そのものにも意外な工夫があった。海に着水した砲弾の頭部キャップが自然に外れ、水中を魚雷の様に水平に進む仕組みなどは日本の工業力・科学力の賜物だった。

明治維新以来、西欧に追いつけ追い越せと血道をあげて来た日本人が、百年に満たない短期間で先進列強に肩を並べた事実は十分に胸を張るに値するであろう。
だが見逃しては成らないことは、明治維新以前の江戸時代から、いやそれ以前の時代から培ってきた日本人の教養が基礎に存在しているということだ。戦後の奇跡的な復興も朝鮮戦争などの世界情勢ばかりでなく、その基礎が残っていたから成し遂げられたのだろう。

この優れた国民性を持って築きあげた工業力も、更に先を行く欧米列強の大量生産を可能にしたシステムの前に敗れ去った。日本の工業力はアメリカのそれの前では、大量生産が困難な手造りに等しかったからだ。更には基礎工業の力不足から油漏れが絶えない航空機用発動機、雑音が多く使い物にならない無線機、品質のバラツキが多い諸部品など未熟な工業力の弊害に現場の兵士が悩まされたのも事実だったようだ。

戦後は世界に冠たる優秀な品質を誇っている日本製品だが、昨今トヨタやホンダのリコール問題に見るように陰りが出てきた。現地人による現地生産品の欠陥が招いたトヨタの苦境は、下手をすれば日本工業界全体を揺さぶるスキャンダルに発展するかも知れない。
捲土重来を願うなら、政府は国民の教育に今一度の注力を成すべきだと考える。
戦後のアメリカ支配からいち早く脱して、日本人の本来の姿を取り戻す努力が必要となるだろう。
いや時代はもはやそれすら不要としているかも知れない。
精神世界では今後は意識の時代へと突入するとされているからだ。
意識の時代は感性の時代でもあろうし、魂の時代でもあるだろう。
本来は自然と共存する日本人の生活、習慣はこれからの時代にマッチする優れたものだ。
自然こそは宇宙の意思であり、法則の表れに他ならないからだ。
これからが日本人の本領が遺憾なく発揮される時代が来る、と信じて待ちわびている。
by levin-ae-111 | 2010-02-18 05:46 | Comments(0)